成功してから祝うんじゃない!成功する前から祝うんだ! ひすいこうたろうさん、大嶋啓介さんの「予祝のススメ 前祝いの法則」
お花見という現代では当たり前となった春の風物詩があります。
今では、満開の桜を見ながらみんなでお酒を飲み、ごはんを食べてはしゃぐイベントというイメージが強いですが、古来での意味合いは春に満開に咲く桜を秋の稲の実りに見立てて仲間とワイワイとお酒を飲み、先に喜び、祝ってしまうことで願いを引き寄せようとしていたものだそうです。
日本人にとって稲がたわわに実り、お米がしっかりとれることが願いだったからです。
このように昔から日本ではかなえたい願いに対して、先に祝い、そして喜ぶという風習がありました。辞書にも乗っている言葉で予祝、いわゆる前祝です。
この本はこうした歴史的に行われてきた先に祝い喜んでしまうことの力を説き、
これまでの成功者の体験を通しいかに先に祝ってしまうことが重要なのかという考え方を書いた本です。
全編にわたって読みやすく、実践するにもそれほど複雑な何かが必要なわけではないというのがとても素晴らしい本でした。
そもそもどうして先に祝い、喜んでしまうのがいいのかというと、本書では実際に図をもって説明がされていましたが、例えば、10×5の枠で様々な記号が書かれた図をすべて20秒で暗記しろと言われたときに、おそらく大半の人が暗記できないと思います。
しかし、その図の中から例えば◎がいくつあるかと聞かれれば、おそらくそれは10×5つまり50個程度の記号の中なら探すことができると思います。
予祝のポイントは「喜び」に意識を向けることだといいます。
それがなぜかといえば、まず夢をかなえるために必要なことがいま、「いい気分である」ことが必要だからです。
人は欲しいものを引き寄せるのではなく、自分と同じものを引き寄せます。
だから、先にかなった自分を喜ぶことによって未来もそれと同じものを引き寄せるのです。
未来を変えるとは、いまを変えることです。そしていまを変えて喜びに変えるということは、未来をも喜びに変えるということなのです。
こうした予祝を行うことで成功した経験談や体験をもとに、いかに先に祝ってしまうことが重要なのかということがわかりやすい文章で書かれた本です。
この本を読むことでまずは先に成功した楽しい未来。喜んでいる自分のいる未来を想像するように考えを変えようとしています。
これ自体は多くの人がやってるんじゃないかなと思います。
しかし、自分自身にもありますが、やりだすと困難が訪れたりでほんとにできるのかというような意識が働いて良くない未来を想像してしまいがちです。
この本を読むことで、そうではなく、常に成功した喜んでいる未来を想像し続けることで、その未来を引き寄せることができると思わされます。
苦しいときでもそれを乗り越えた時に自分はこんな成長した自分になってるぞと喜びの未来を想像することで今の気分を可能な限り良い未来へ近づけていく。
こんな風に悩みも何もかも、その先にある良い未来をつかむためのものに変えていこうと思わされる良い本でした。
実際の体験なども交えて描いてあり、テクニック的な部分と読み物的な部分とで一気に読める、読書初心者にも読みやすいのではないかと思います^^